2025年8月の福岡・アトランタ青少年訪問団派遣事業について、訪問団員(8名)のレポートをご紹介します。
今回は7人目、修猷館高等学校2年 畑瀬さんのレポートです。
~テーマ~
アメリカの教育環境について
〇はじめに
私にとって今回の派遣の中で最も思い出に残っていることの1つが、ノースアトランタ高校での体験入学であり、教育は派遣前から関心を抱いていたことの1つである。2日間の体験入学を通して得た気付きや発見、感じたことを記述していこうと思う。
〇学校生活
~通学~
私は、同じ17歳のホストシスターと学校生活を過ごした。通学は、ほとんどの生徒が自分で車を運転して通学し、スクールバスを利用する人もいる。日本では、徒歩もしくは電車やバスを利用しての通学が当たり前であるため、高校生が毎日自分で運転して学校に行っているのがとても衝撃だった。

通学中は、音楽を流して一緒に歌ったり、お互いの学校生活について話をしたりしていたが、通学方法の話題になり同い年なのに運転ができることに驚いたと伝えると、「アトランタは公共交通機関がそれほど充実していなくて車が無いと生活しづらいから、電車やバス、地下鉄が充実している福岡は素晴らしいと思う」と伝えられ、外に出てみないと分からない日本や福岡の良さに気付いた。私達は普段、電車やバスに揺られていたら学校まで着くのが普通だが、交通ルールや安全に配慮し、自分で考えながら運転している姿を見て、日本の高校生より自立しているなと思った。
~授業~
1コマ90分の授業で、日本のようにメンバーと教室が変わらずに先生が移動するのではなく、生徒が一人一人自分が取りたい授業を選択し、その授業の部屋へと毎時間移動する。私のホストシスターは、スペイン語や歴史、美術の授業を受けているそうだが、オーケストラの授業や看護の授業を受けている人もおり、自分の関心があることを深められるのはとても充実している教育環境だと感じた。校舎は11階建てと非常に大きく、どこの教室も明るく開放的で、教室によって机の配置が違ったり、壁の掲示物や装飾に個性があったりして、そのクラスのカラーが出ていることが印象的だった。

授業においては、アメリカの高校生の積極性や社交性に驚かされた。先生が質問を投げかけても、挙手をするのが恥ずかしかったり、答えがわかっていても全体で発言できなかったりと日本の授業はやや消極的な印象がある。しかし先生が発した質問に対して、自発的に発言したり、逆に「How about〜?」「Can I ask you a question?」と先生に聞いたりする場面が見られ、先生が一方的に進める受け身の授業ではなく、双方向型の授業が展開されていた。私が考えるこの要因は、先生方がとてもフレンドリーで先生と生徒の心の壁が無いこと、「正しい答えを言わないといけない」というプレッシャーが無く、互いの意見を認め合う雰囲気があったことが挙げられる。これには、アメリカの元々の国民性も影響していると思うが、この授業の雰囲気を日本の学校にも取り入れるべきだと思った。

また、全ての生徒がパソコンを持っており、授業もホワイトボードよりもスライドを中心に展開するクラスが多かったのも印象的だった。

~休み時間~
昼休みは、外のベンチに座って昼食をホストシスターの友達と一緒に食べた。ホストシスターと1対1で話すときは私が理解しやすい英語を選んで話してくれていたが、現地のティーンエイジャーが集まると、やはり何を言っているのか分からないぐらい英語が早くて、この会話に普通に混ざれるぐらい英語を上達させたいと思った。高校の制服を着ていくと、「I like your outfit!」とたくさんの人が「制服かわいいね」と話しかけてくれたり、髪飾りを褒めたら同じものを「おそろいにしよう」と言ってくれたりして、アメリカのフレンドリーさや寛容さを感じた。それと同時に、毎日着ている制服も、ここではすごく新鮮なものなのだなと改めて思い、お互いの文化を理解して交流する楽しさや意義を感じられた。最も印象的だったのは、多様な人種やバックグラウンドがある生徒達の中で、お互いの文化や生まれ育った環境、価値観や考え方を尊重し合っていて、「この単語はあなたの出身国の言葉ではどうやって言うの?」というような会話をしていて、多様性が認められる素敵な空間だなと思い、そこに2日間だけだが身を置けたことを光栄に思った。

〇最後に
最後に、このような貴重な経験の機会を提供してくださり、サポートしてくださった福岡市姉妹都市委員会の皆様、協賛してくださったデルタ航空会社様、株式会社大韓航空様、本当にありがとうございました。
訪問団員のみんなへ、みんなからたくさん刺激をもらって自分も頑張ろうといつも思えていたし、とても有意義な研修になりました。ありがとう。
自分にとっては2回目の海外であり、2回目のホームステイの経験となった今回の派遣。

毎日毎日が本当に楽しくて、勉強になることばかりでした。ホストファミリーとたくさんコミュニケーションが取れて、一生の絆ができました。たくさんの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。いつか、この一生の財産として残る経験を、誰かのために活かすことができる立派なグローバル人材となれるよう、これからも精進して参ります。

