2025年8月の福岡・アトランタ青少年訪問団派遣事業について、訪問団員(8名)のレポートをご紹介します。
今回は最後で、8人目の福岡雙葉高等学校2年 久保さんのレポートです。
~テーマ~
アメリカに学ぶ、人と土地のつながり
広大な土地、そこに暮らす人々、そして日々の交流。本事業を通じたアメリカでの経験は、異文化や社会性を理解する上で非常に貴重な機会となりました。一週間という短い滞在期間ではありましたが、現地で得た多くの気づきや学びをここに報告します。
1、多岐にわたるコミュニケーション
私が強く感じた日本との違いの一つは、日常生活や学校生活におけるコミュニケーションの幅広さです。
スーパーやお店では、店員と客の間で“Hi. How are you?”や“How was your weekend?” “It was-.” などの会話がごく自然に交わされていました。日本では「いらっしゃいませ。」という一言の声かけが一般的ですが、相手の気分を尋ねる挨拶や簡単な会話が当たり前のものとして浸透している点は新鮮であり、同時に、とてもアメリカらしい特徴だと感じました。
また学校でも、生徒が”Ms.(先生の名前)!“と呼びかけると先生が “Yes baby?” と気軽に応じる場面が見られました。先生に当てられても生徒がスッと答え、手を挙げて発表する際も良い意味で緊張感がなく、日本では経験できないフレンドリーな交流のかたちが印象的でした。

こうしたコミュニケーションが一般的である背景には、個人主義や距離感の捉え方の違いなどの文化的要素があるそうです。しかしそれに加え、私は滞在期間を通して「何気ない日常会話を大切にする」という姿勢そのものを学び、実感することができました。このような考え方が根底に存在することで、店員と客、生徒と先生といった関係にとどまらず、人々が関わりやすくなっているのだと思います。
相手に声をかけ、ちょっとしたやり取りを重ねる。こうした小さな交流が信頼や親しみを育んでいくのではないでしょうか。相手と自然に心を通わせる温かさを感じ、私はこの文化をとても好ましく感じました。
2、土地の広さからつながるもの
アメリカといえば、その広大な国土は世界第3位の規模を誇り、様々な分野で活用されています。そしてその土地の広さは、人々の生活様式にも大きな影響を与えていました。
第一に挙げられるのが住宅です。限られたスペースに住宅が密集する日本とは対照的であり、比較的に広々した家が多かったです。

スーパーも同様に規模が大きく、幅広い通路には商品が豊富に並んでいました。そのため、人々が余裕をもって買い物を楽しんでいる様子が見受けられました。
さらに私が注目したのは、駐車のあり方についてです。スーパーやレストランの駐車場が広いのはもちろんのこと、路上駐車もごく普通に見られました。日本では駐車場探しに苦労する場面が多いですが、アメリカでは土地の広さを前提として、車の利用方法にも違いが表れていました。

このように、土地の広さは住宅、買い物、駐車といった生活の様々な場面に影響を与えています。余裕のある空間を活用する暮らし方は、人々の価値観とも大きなつながりを持っていると感じました。
【ミニコラム ~ゴミ箱~】
日本では(駐車場と同じように)探すのに苦労する、または探さないと見つからない場面が多いですが、アメリカではショッピングモールだけでなく道路にも一定の間隔でゴミ箱が置かれており、とても便利でした。様々なゴミ箱の外見を見るのも楽しみの一つでした。

~プレゼンテーション~
私たちは、ノースアトランタ高校にて福岡市の魅力を伝えるため、クイズ形式のプレゼンテーションを行いました。問題文を読み終わる前に多くの手が挙がり、盛り上がりのある発表会となりました。
景品として、正解した生徒には博多織の鶴、その他の生徒には折り紙で折った鶴を渡しました。喜んでくれて良かったです。プレゼンリーダーとして至らない点も多かったですが、現地の生徒に楽しんでもらえたこと、無事に終えられたことを嬉しく思います。
団員のみんな、一緒に素敵なプレゼンをつくってくれてありがとう。


~ホストファミリー~
滞在期間を通して私の心の支えとなってくれていたのがホストファミリーです。両親、同い年の女の子、そして犬二匹。誕生日を祝ってくれたり、ショッピングモールに連れて行ってくれたりと楽しい思い出でいっぱいです。

優しくて面白い家族と一緒に過ごすことができ、本当に嬉しかったです。最終日には、 “Don’t go!!” と言いながら抱きしめてくれました。この繋がりをこれからも大事にしていきます。ありがとう。

【思い出 ~アメリカの日本料理店~】
日本料理店に行った時、天ぷらそばセットを頼んだホストマザーが、天ぷらの塩をそばの汁に入れていました。塩が天ぷら用だとは知らず、今までずっとそのように食べていたそうです。家族全員大笑いでした。また、ホストファザーは日本料理店に行く時、毎回必ず自分専用のお箸を持って行きます。日本を訪れた時に買ったそうで、立派な木箱に入っていました。

食べ終わった後にお箸を拭く姿が可愛くて、これもまた大笑いでした。ユーモアたっぷりの両親なのです。寿司は日本のものとほとんど変わらず、とてもおいしかったです。しかしメニューを見ると「わたがしすき焼き」という料理があり、他の家族のテーブルに運ばれてきたそれは本当にわたがしがすき焼きの上に乗っていました。日本料理店と言っても結局はアメリカを感じた体験でした。
~最後に~
私は本事業を通じ、一生の財産となる経験や人脈を得ることができました。それが可能だったのは、多くの方の尽力があったからです。本事業主催の福岡市姉妹都市委員会の皆様、協賛いただいたデルタ航空会社様、株式会社大韓航空様、そして関わっていただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。
本事業に参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。

