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アトランタ青少年訪問団派遣レポート① ~アメリカ Teenagerの暮らし~

2024年3月の福岡・アトランタ青少年訪問団派遣事業について、訪問団員(5名)のレポートをご紹介します。

まずは1人目、リーダーの西南学院高等学校 3年生 馬場さんのレポートです。

 

-テーマ-
アメリカTeenagerの暮らし

私たちは2024年3月22日~3月30日の9日間アメリカ合衆国のアトランタ市を訪問しました。
うち3月25、26日の2日間はノースアトランタ高校に体験入学をしました。
そこで実際に体験した同世代のアメリカ人の日常をお伝えします。

 

-登校-
アメリカにいる間、私はスクールバスを利用して学校に行きました。アメリカのドラマによく出てくるあの有名なイエローバスです。そのバスが家の近くまで迎えに来てくれます。学校のバスが迎えに来てくれたのは、幼稚園以来のことでした。車内は電気がなく窓から入ってくる自然光だけだったので、朝はとても暗かったです。バスに乗るとホストシスターの友達2人が話しかけてくれました。すぐに打ち解け、初日の登校の間にバスの中で最もうるさいグループでした。日本ではバス車内や公共の場で静かにするというのがマナーですが、ここでは、賑やかなのもまた、受け入れられるようでした。私はスクールバスで登校しましたが、親の送り迎えや自分で車を運転して来る人も多くいました。日本でよく見る自転車通学は見かけませんでした。
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-エントランス-
スクールバスから降りた後、エントランスのドアが開くのをみんなで待ちます。ドアが開いた瞬間、皆、我先に中へ入ろうとします。私も、その競り合いに参加しました。その光景は、東京の満員電車のようで、ただドアを通るだけなのにひどく疲れました。ドアを通過した先には金属探知機が私たちを待っています。学校に銃を持ち込んでいないかを検査するためです。ドアの前では皆、我先にと言わんばかりだったのに金属探知機の前では皆おとなしかったです。もちろん私は無事に通過しました。
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-校内の雰囲気-
校内にはアメリカだけでなく世界各国の国旗がありました。それらはノースアトランタ高校に通う生徒の母国を表しています。この学校には母国がアメリカではない子も多く通っているそうです。ノースアトランタ高校の先生は「多様性」がこの学校の特に素晴らしいところだと教えてくださいました。学校には自動販売機がたくさんありました。例えば、スプライトなどの炭酸飲料も売っていたので、私の学校とは違い、このような制限のないところもまた、自由の国アメリカや、コカコーラ本社のあるアトランタを感じる瞬間でした。ただ、学校の自動販売機の炭酸飲料には、どうも健康に配慮して砂糖などの成分には制限があるようです。それもあってか何人もの友達がおいしくないから買わない方が良いと助言してくれましたが、私は珍しさと興味が後押しして買ってしまいました。味の違いは?・・・。味の違いを感じなかった私の舌がおかしかったのか、ユーモアを交えてしっかりと騙されてしまったのか真相は分からないままです。さらに、学校にはたくさんのエレベーターがありました。それぞれのエレベーターによって行先が異なります。自分の希望する階に連れて行ってくれるエレベーターはどれなのかを教えてくれる機械まで存在するほどでした。このような設備の充実ぶりにもまた、日本との違いを感じる場面でした。
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-授業-
ノースアトランタ高校では90分×4コマで授業が行われました。日本では50分×7コマなので大きな違いでした。また、学校は8時45分に始まり、3時45分に終わりました。ここには大きな違いはありませんでした。アメリカでは日本と違って生徒が授業ごとに教室を移動するため、クラス単位で動くということがありません。そのため、前の授業と次の授業では授業を受けるメンバーが全く異なりました。そのためいつも一緒にいるメンバー、いわゆる「いつメン」でずっと一緒に行動するというような光景は見られませんでした。学校ではスペイン語やフランス語、アラビア語など第二言語を学ぶ授業もありました。日本では第二言語として英語を学んでいますが、スペイン語など英語以外の言語の授業を受ける機会は、なかなかありません。下の写真は、スペイン語の授業で私がプレゼンテーションしている光景です。アメリカでスペイン語を勉強している不思議さと、自分に与えられた時間の中でクラスに貢献しなければと、緊張と必死な思いの中で何とかやり切った5分が、のちに大きな自信となりました。
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私が授業を受けた中で特に印象的だったのは体育です。授業の最初に準備体操や軽い筋トレを行いました。はじめは、先生が1と言えば生徒が2と言い、先生が3と言うと生徒が4と言う「奇数と偶数のやりとり」を10まで繰り返すカウントの掛け合いでした。ここまでは普通の体育でした。しかし、途中で生徒の声が小さくなれば、生徒が何度2を発声しても先生が次の3を言うことはなく1を言い続けました。このような、ユーモアのある先生は、アメリカにもいたのです。思わず、クスッと笑ってしまいました。周囲をみても、そのやりとりを楽しんでいるようで、授業の開始がアットホームな雰囲気になりました。体操や筋トレが終わると、今度は運動の時間に入ります。スポーツをしたい人は自由にやり、やりたくない人は座ってスマホを見たりお喋りをしたりしていました。とても自由な世界でした。これも多様性なのかと、そんな光景を横目に、私はバレーボールをしました。男女関係なく一緒にです。日本では男女混ざってスポーツをすることがなかったので新鮮でした。男子はやんちゃで賑やかにその場を盛り上げるように、女子は比較的落ち着いていて、淡々と楽しんでいる様子でした。
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-ご飯・お菓子-
3時間目が終わった後に、お昼ご飯を食べにカフェテリアに行きました。現地で仲良くなった7人と机を囲むようにして楽しくおしゃべりをしながらの時間でした。お昼ご飯はお弁当のようなものではなく、サンドイッチのような軽いものを食べている人が多かったです。また、校内で自由にお菓子を食べることが出来ました。特に授業中にガムを噛んでいる人が多いという印象でした。私もクラスの人に負けまいとガムを一気に3個食べるなどして対抗し、しっかりとクラスに溶け込もうとしました。校内だけでなく街も含めてゴミ箱がいたるところに設置してあって、一般的にイメージされるよりも多いです。ごみを捨てたいと思ったときに、ごみ箱を探すストレスもなく、とても便利だと感じました。
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-人柄-
これは私が最もお伝えしたいことです。プログラム参加で、はっきりと感じたのは、国籍がアメリカであれ、他国であれ、日本であっても、10代の思想に特別な違いはないことです。K-POPを好きな人が多いこと、その話でよく盛り上がること、自分のクラブに情熱を注いでいる人が多いこと、ファッションにこだわりがある人が多いこと、友達と話すのが好きな人が多いこと、海外に留学したい人が多いこと、どこの部分を切り取っても日本で見る光景となんら変わりません。拍子抜けするほど普通でした。音楽などのエンターテイメントが日本で広まっていくそのきっかけがアメリカのteenagerであったり、世界の大学ランキングの上位にあるのがアメリカの大学であったりと、日常で目にする文化の最先端を創るのは、アメリカのteenagerなのだろうと憧れの思いが強かっただけに、この意外なギャップは、「もしかしたら、私もアメリカでやれるかも」とか「グローバルで活躍できるヒトになりたい」という思いをこれまで以上に強くしてくれたと思います。
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-アトランタ訪問中に最も心に残った言葉-
「私は第二言語としてスペイン語をずっと学んでいるけれど、あなたが英語を話すように私はスペイン語を話せない。だから第二言語である英語をそれだけ話せるのは本当にすごいことだと思うよ。私はそんなあなたを友達として誇りに思うよ。」クラスメイトが、スペイン語の授業後に、私にくれた言葉です。小学校の時から10年以上も英語を学んでいるのに、中々上達を実感できないことにこれまで何度かフラストレーションを感じることもありました。しかし、このような言葉を友達がふいに言ってくれたとき、「流暢に話せれば格好良くみえるかな」と、少し背伸びしようとしていた自分の肩の力が、その瞬間スッと抜けていくような感じがしました。完璧ではない私のたどたどしい英語を聞きながらも、そのような言葉をかけてくれる素晴らしい人に出会うことが出来ました。

 

-日本語を通して-
学校でも街でも空港でも、私は日本人だと言うと「こんにちは」「ありがとう」など日本語で話しかけてくれる人や、「五十音を、以前に勉強したことがあるから分かるんだ!」と、学んだ五十音を披露してくれる人もいました。日本語がきっかけとなって、そのようなコミュニケーションが、アトランタの小さな一角で起こることを大変嬉しく思いました。と同時に、人口をみれば日本は世界的にも小国であり、日本語もマイナーな言語に分類されるのかもしれませんが、なぜ、あの人は日本語を学ぼうと思ったのか、そのきっかけから他国からみた日本の魅力をとても知りたくなりました。

 

-今回の派遣事業を通して-
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今回の派遣事業を通して、市役所関係者の方々、ホストファミリー、クラスメイト、スポンサー企業の方々など、たくさんの素敵な方々に出会うことが出来ました。そんな皆様が、アトランタ研修中、私にたくさんの幸せを与えてくれました。今回の振り返りによって、私は沢山の人に支えられて毎日を生きていることを実感出来た9日間だったように思います。Teenager同士、国籍による特別な違いなどなく、「私もまだまだやれる!」と自信をつけ、「流暢でなくても何とか乗り越えてやる」と、困難ななかでも、何かをきっかけに前向きになれる自分の性格に気付いたことが、今回の派遣事業で私にとって一番大きかったことです。まだまだ漠然としていますが、近い将来、アメリカをチャレンジの場にしたいと本気で考えるようになりました。そのための準備を、今年控えている大学受験から着々と進めていきます。


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また、クラスメイトと接したことで、私のことについて良い意味で気にしていないことを感じました。その経験から、帰国後、自分が他人からどう見られているかよりも、自分のやりたいことを優先しようと思えるようになったし、外見について必要以上に気にすることもなくなりました。自分軸で生きることが出来るようになったと感じます。アメリカ滞在中、通りすがりの人が「その服いいね!」や、私の名前を聞いて「すごくきれいな名前だね!」と言ってくれたことがありました。皆が幸せになれるとても素敵な文化だと思いました。私も他人の良いところをたくさん見つけられる人になりたいと思いました。そして何より今までで最も幸せで、一番時間が過ぎるのが早くて、最高に濃い9日間でした。たくさんの幸せをいただいたので、私もたくさんの人に幸せを与えられるように日々を歩んでいきたいと思います。


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最後にはなりますが今回の派遣事業を行うにあたって協賛して下さったコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社様、デルタ航空様、株式会社大韓航空様、そして、派遣前の準備や滞在中のサポートをして下さったアトランタ姉妹都市交流委員会、福岡市姉妹都市委員会の皆様、貴重な機会を与えて下さり本当にありがとうございました。この派遣事業に携わっていただいたすべての方々に深く感謝を申し上げます。

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  2024/06/18   福岡市姉妹都市実行委員会

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