第29回福岡・アトランタ青少年訪問団派遣レポート①~大きな国の大きな概念~
2025年8月の福岡・アトランタ青少年訪問団派遣事業について、訪問団員(8名)のレポートをご紹介します。
まずは1人目、リーダーの修猷館高校 3年 鵜野さんのレポートです。
-テーマ-
大きな国の大きな概念
【スポーツを通じた考え方】
僕には夢・目標があります。その夢の実現のため、この事業への参加は大きな意味があります。両親の積極的なサポートも大きな後押しでした。ただ、本プログラムへの参加にはとても大きなハードルがありました。参加にあたって事前準備を行う期間、僕は最後の夏大会前、現役の野球部員でありレギュラーメンバーでした。多くはない時間なのですが部活に打ち込む時間を旅への準備に注ぐことは一つ勇気がいることでしたが、本当に本事業に参加してよかったと思います。このチャレンジするという決断に多くのことを考えさせられました。
ここからアトランタで感じたことを踏まえ、日本人とどう考え方が違うのか紹介します。
僕を暖かく迎えてくださったホストファミリーはみんなスポーツが大好きです。2人のホストブラザーは、僕と同じ野球小僧でした。とにかく野球が大好きです。しかし、バスケットボールも好きでテニスも好きな彼らは、野球と同じようにバスケにもテニスにも取り組んでいました。日本では考えられないことだと思いませんか?
「葵は他に好きなスポーツないの?」
と彼らに聞かれ、僕はバスケも好きだと答えました。
「好きなのになんでやらないの?」
と聞かれ、
「野球をやってるから」という僕の回答に彼らは、
「どっちやればいいじゃん!」と。
僕は彼らが興味のあることには何にでも果敢に挑戦していることに感心しました。それは僕の2人のホストブラザーに限ったことではないようでした。数日時間を共有したノースアトランタ高校の同級生たちもしたいことは妥協せずに取り組む姿勢に溢れており、環境もそれを歓迎していました。
元々僕は幼少期よりメジャーリーグが好きでずっと観てきました。単に試合を見るだけではなく、選手のバックグラウンドについても詳しいのですが、複数のスポーツを掛け持ちしていたメジャーリーガーは少なくないため、驚くことではないのですが、現地でその空気を実際に感じたことはとても新鮮でした。
スポーツを通じ、多様性の意味を意義を深く学べた一点でした。様々なチャレンジに対してもっと周りが応援するような文化は積極的に取り入れたいものです。少なくとも僕はそうありたいと強く思いました。
【企業・スポット訪問による姉妹都市交流】
アトランタにおける企業訪問はアメリカという国を感じるうえでも非常に大きな意味があると思います。コカ・コーラ、デルタ航空、フェデックスなど名だたるグローバル企業の本拠地であり、全世界からビジネスマンが行きかう主要都市であることを強く感じます。
各企業や、市役所、ノースアトランタ高校いずれを訪問しても感じたことは、言語に敬語表現がなく、お堅い上下関係がないこと。ただ一つ一つのコミュニケーションにしっかりとリスペクトを感じられることは新鮮でした。特に学校の先生と生徒の関係には驚いた。生徒が先生へ「Hey man!」と声をかけているシーンには正直笑ってしまったが、そこにコミュニケーションの神髄を見た気がします。
その点注意深く観察すると、色々と見えてくるものがあります。授業ではよく話を聞いているためとにかく質問が飛び交う。過ごしている時間の密度が違うというのか、とても有意義な時間であることを実感します。企業や市役所訪問でも同じです。一方通行ではない、とてもインタラクティブなコミュニケーションがいたるところで交わされることが、お互いを尊重していることの原点なのだと感じました。
何より、日本人よりも圧倒的にありがとう“Thank you”をいう回数が多い。
敬語がない中でどのようにお互いを尊重していることを示すのか。非常に学びになりました。
【これから参加を希望・検討される方へ】
アトランタはアメリカの中でも有数の都市です。
ビジネス、文化、スポーツにおいても発信の中核です。
短期のホームステイですが、このプログラムを通じ、きっと多くの物を持ち帰れることでしょう。
僕はスポーツのあり方や、人とのつながりといった目線で感想を書きましたが、それぞれテーマを持って参加するとそれぞれの発見があり、その積み重なった未来の感想を読ませていただくことをこれからの楽しみにしたいと思います。
このような素晴らしい機会にご協賛いただいたデルタ航空会社様と株式会社大韓航空様、そして、派遣前の準備や滞在中のサポートをして下さったアトランタ市姉妹都市委員会の皆様に御礼申し上げます。



